2016年8月24日水曜日

高齢者と働く苦労

たまには同僚のことで愚痴ろうか。


4月に採用された73歳の非常勤嘱託員と働き始めて約5カ月。ようやく相手の人物像や性格について理解できてきた。民間企業で部長やセンター長をやってきた彼は、とにかく採用当初はプライドの塊であり、公務員も完全に見下している人だった。公務員は縁故採用だ、年収1000万近く貰っている、色々な手当てを支給されてる、民間じゃ通用しない無能揃い、自分の方がもっと良くできる・・・


滅多に怒らぬ温和な私も、最初の頃はよく彼と口論したものだ。正当な公務員批判なら受け入れるけど、根拠なき偏見に満ちた批判は我慢できない。だから怒った。それでも忍耐強く彼の偏見を解くこと約2カ月。最近ようやく理解してくれるようになったが、公務員に批判的なら県の非常勤嘱託員に応募なんてしないで欲しい・・・


彼は自分の若さや体力に相当な自信を持っている。しかし、周囲から見れば、73歳相応の記憶力や体力であり、実に危なっかしくみえる。炎天下で仕事をする時も、水分補給や休憩を促すと「これくらい大丈夫大丈夫!」と返してくる。結果、熱中症になって体調を崩すこと数度・・・


数日前も一時間の外仕事でフラフラに。私が「続きは涼しい日にしましょう」と気遣うと、「まだまだ大丈夫」との返事。しかし、どう見ても大丈夫に見えないから強制打ち切り。すると、道具を倉庫に運んだところで地面に座り込んでしまい、そのまま地面に横たわって5分ほど動けなくなってしまった。


彼がここまで強がる背景には、来年度も継続雇用して欲しいと言う思惑がある。だから事あるごとに自分は元気だと、まだまだ若いんだとアピールして来る。しかし、そうやって自分の体調を偽って申告されると、仕事を指示する立場の私も困る。無理させて倒れられでもしたら、彼の家族にも申し訳ない。そのことを彼はどこまで理解しているのか。


彼の体力や仕事の速度は、一般的な73歳の人と比べたら及第点だろう。しかし、一緒に働く同僚としては評価できない。過去共に働いた60代の非常勤3人と比べたら、圧倒的に仕事が遅いし体力も無い。樹木の剪定や農作業のセンスも無い。何でこの人を雇ったんだ?と不思議でならない・・・


無理はさせられないから、彼に楽な仕事を任せて私が体力仕事をやろうとする。すると必ず「私もやりますよ」と彼は言って来る。申し出は嬉しいけど、正直言って私一人で作業した方が遥かに早い。たとえ二人で作業しても、彼の作業スピードを考えたら微々たる助力にしかならない。彼の体調を気遣いながら仕事をするのも面倒臭い。だから最近、彼が出勤して来る10時までに、力仕事や屋外業務を終わらせてしまうことしている。


そして10時に出勤してきた彼に珈琲を出し、「今日は暑いので中の仕事をしましょう」と提案する。すると彼は「この仕事はのんびりしていていい。自分に合っていると思う」と言うのだ。そこでカチーン!凸(゚Д゚#)とする元気はもう無くなった(笑)


年金の支給年齢が65歳となり、それに合わせて退職年齢も65歳へと移行しつつある。しかし、年金財源の不足に合わせ、いずれ支給年齢も更に上昇するだろう。実際ドイツでは、年金支給年齢を69歳にするか否かで大激論となっている。日本もそうなったとき、職場は高齢者で溢れかえるのだろうか?いま私が直面しているような問題も、ありふれた些細な問題として笑い飛ばされる日が来るのだろうか・・・